中森圭二郎のブログ

湯梨浜町町議会議員、中森圭二郎の活動報告

若者の社会参画の推進を!

若者政策を進めるために、若者条例制定の検討を。

 こんにちは。12月定例会も近づき、今回の一般質問の内容について、ブログを書こうと思います。(今定例会の補正予算についても追って書きたいと思います。)

 少しさかのぼりますが、9月定例会の一般質問で「若者が町づくりに参加できる仕組みを」というテーマで質問しました(詳細は過去ブログを参照)。今回は、その関連の質問です。

keijironakamori.hatenablog.com

 前回の町長の答弁では、<町として若者との意見交換会を行いたい>という前向きなものでした。(まだ、9月定例会の議事録が出来上がっていないので、前回ブログで載せた議会だより75号の一般質問の紙面を下記に載せています。)

ゆりはま議会だより75号

 実は9月定例会の一般質問では合計三つの質問をしていて、あまり若者の社会参画について時間を割いて質問できていませんでした。そこで、今回12月定例会では、具体的に湯梨浜町が若者の社会参画にどのように取り組んでいくのかを聞いていきたいと思います。

本当に若者が社会参画できている?「参画のはしご」

 町長に具体的に質問するにあたって、私も知識をアップデートするべく、尼崎市主催の研修「若者の社会参画とユースワーク」にオンライン参加しました。講師は日本福祉大学の専任講師の両角達平さん。ヨーロッパのユースワークを紹介しつつ、日本の課題についても触れる講演でした。

www.city.amagasaki.hyogo.jp

 そこで両角さんが言っていたのは、

「若者の社会参画」とは

  • 若者に関わるあらゆる事柄に関する共同の意思決定の機会に若者が参画し
  • 変化をもたらし
  • 若者の生活状況に影響を与える民主的な過程

である

ということでした。変化をもたらし、実際に生活に影響が及ぶことで、若者が社会参画の意義を見出し、ますます参画していくというサイクルが生まれていくというお話でした(行動科学の自己決定理論から、自分の人生を自分でコントロールできている感覚が幸福を感じる要素の一つだという説明もありました。)

 一方で、ロジャー・ハートの「参加のはしご」モデルを引用しつつ、主体的に関わる程度について言及され、お飾り参画や、見せかけだけの参画は非参画と位置付けるということも共有しました。

 ⑧の「子どもが着手しおとなとともに決定する」が最もよい関わり方というわけでもなく、意見しないという立場も尊重する必要があります。とはいえ、行政が若者の社会参画を推進するという立場から考えた場合、①~③の参画の形は避けるべき、と私は考えます。

ロジャーハートの参画のはしご(図は中森が作成)

自治体の取り組み。鳥取市「とっとり若者地方創生会議」

 近隣自治体でも、若者に役割や情報を与えて、調査やイベント企画を行ってもらうようなケースもあります。鳥取市の「とっとり若者地方創生会議」では、鳥取市の大学生たちが、地方創生の中心課題である若者の移住・定住やまちのにぎわいづくりをテーマに活動しています(下記のリンクで活動が見れます)。鳥取市やりますね。。

“とっとり若者地方創生会議”の令和4年度活動スタート|鳥取市

 鳥取市では、「若者による地方創生政策推進事業費」として、令和4年度55万1000円(市町村創生交付金9万円、自主財源46万1000円)を予算として計上しています。少し、事業概要を下記に引用します。

【「若者による地方創生政策推進事業」の内容・実績】

  • 調査・研究のため、様々な立場の方々とのワークショップや地域活動への参画を通じ、各委員の視野を広げ、事業実施を検討する。
  • 補助金を活用した事業を実施し、最終的に市が取り組む「若者定着を推進する事業」を市に提案する。
  • 市は、提案された事業の事業化又は既存事業への反映を行う。

 この事業の中で、若者たちが補助金を活用した事業を行っており、過去には、「企業まる見え!見学隊」、「イドバタ」(学生交流会)、「飛び込め!活動の環!~地域に踏み出すステップアップ交流会~」(学生の地域交流促進)といった事業を学生主体で行っています。

www.facebook.com

 こうした開催されたイベントや調査研究を通じて得た知見を、若者が報告書にまとめ、市に提案します。(提案の様子は、下記リンクから見れます。)ちなみに令和3年の提案書では、高校生による政策立案や高校生が市長に政策を提案する機会を作る、若者の社会参画をさらに促すような提言がなされいます。

とっとり若者地方創生会議(令和3年度)成果発表会を開催しました|鳥取市

とっとり若者地方創生会議(令和2年度)成果発表会を開催しました|鳥取市

 鳥取市の担当者に聞いたところ、こうした若者の提案から実際に提案が事業化されたというケースもあるようです。「鳥取市麒麟のまち圏域魅力発見支援事業補助金」という事業は、とっとり若者地方創生会議の調査で市内在住の学生が鳥取市の魅力などに触れる機会が少ないことが判明したため、それを解消しようとするものです。まさに、若者が意思決定の機会に関わり、変化がもたらされた事例といえます。

鳥取市・麒麟のまち圏域魅力発見支援事業補助金の募集について|鳥取市

 次の一般質問では、こうした事例を交えながら、町長に質問していこうと考えています。

 また、これらの事業を推し進めていくためには理念的なものが必要かと思います。愛知県新城市では、若者条例を作り、市の責務として若者が活躍できる施策を策定・実施していくことを明記しています。こういった条例の制定なども目指していきたいと思います。

令和4年11月22日一般質問通告書