中森圭二郎のブログ

湯梨浜町町議会議員、中森圭二郎の活動報告

パートナーシップ宣誓制度、湯梨浜町の最初の一歩

 

 こんにちは。議会広報常任委員会が始まり、ゆりはま議会だよりの作成に取り掛かっている今日この頃です。

パートナーシップ宣誓制度とは

 さて、今回は、一般質問二つの目の「パートナーシップ宣誓制度の導入について」です。パートナーシップ宣誓制度とは、法律上は結婚できない同性のカップルなどを、自治体が結婚に相当する関係として認めるものです。法律上の効力はありませんが、行政手続きなどで結婚している人と同様の扱いを受けることができます。

 報道によると、こうしたパートナーシップ制度は2022年3月末時点で、全国で211の自治体で導入されています。*1鳥取県では、境港市が山陰地方初の自治体として、7月1日から導入しました。

www3.nhk.or.jp

境港市議会でのパートナーシップ制度

 境港市がパートナーシップ宣誓制度を導入するにあたって、少し境港市議会での議論を議事録上で調べてみたことがありました。

 H30年第6回定例会(12月12日)の一般質問では、田口俊介議員と安田共子議員がパートナーシップ制度に関して質問しています。

(発言者:田口議員) 

 本市においても、このLGBT施策を、先ほど総務部長からも言及がありましたが、そういった市の総合計画や男女共同参画の計画、そういった行政計画に明確に位置づけをしていくという中で、その権利を守っていけるように、パートナーシップ制度等の創設も行政として検討を始めなければならないときが来てるのかないうふうにも感じておるところであります。こうしたLGBT支援宣言や同性パートナーシップ制度の本市での導入について市長がどのようにお考えなのか、ちょっと所見をお伺いしたいというふうに思います。*2

(発言者:安田議員)

 次に、今、当事者を含む自治体にパートナーシップ制度を求める会が同性カップルを公的に認めるパートナーシップ制度の導入を求め、多くの自治体で当事者の住民がそれぞれの議会に請願、陳情、要望書を提出するなどの運動に取り組んでおられます。米子市にも陳情が提出され、全会一致で可決され、報道によれば、伊木市長は、差別解消に取り組み、必要な制度について議論していくと導入に意欲を示したとのことです。(中略)

 現在9自治体が導入し、ことし7月現在195組が同性パートナーとして認められています。さらに、千葉市熊本市など9自治体が導入を既に予定しています。性的マイノリティーは都会だけにいるのではないし、先進的な自治体にしかできないわけでもありません。本市でも同性パートナーシップ制度の導入について検討しようではありませんか。市長の見解を伺います。*3

 この後、安田議員は令和2年12月定例会*4、令和3年3月定例会*5と重ねて一般質問でパートナーシップ制度について市長に答弁を求めています。令和3年度の定例会では、市長が施政方針で2021年度中のパートナーシップ制度の導入を目指すという方針を示しました。

 政策決定は自治体の長の権限でありますが、こうした議員の粘り強い質問も方針決定に影響を与えたといえると思います。こういった姿勢は、私も見習っていきたいと思います。

湯梨浜町でもパートナーシップ宣誓制度の導入を/一般質問要旨

 湯梨浜町では、町議会の議事録を見る限り、パートナーシップ宣誓制度についての議論はされていませんでした。(もしかすると委員会では話があったのかもしれません。)最初の一歩として、下記のことを質問しました。

  • 境港市でパートナーシップ宣誓制度が導入された。湯梨浜町でも制度導入を検討してはどうか。
  • 町営住宅の入居や「若者夫婦・子育て世代住宅支援事業補助金」など「夫婦」であることが要件になることがある。LGBT当事者が申請した場合、現状ではどのような対応になるのか。

 結論からいうと、町独自のパートナーシップ制度の導入について、前向きな検討をしてみたいということでした🎉進捗状況や中身についても、継続的に質問していきたいところです。

 町長答弁を整理すると

  • 湯梨浜町では、例規内に「夫婦」が12件、「結婚」が11件、婚姻が38件規定されている。
  • そうした「夫婦」「結婚」「婚姻」が要件になる制度において、現時点でLGBT当事者が申請しても要件に該当するのは難しい。
  • 一方で、LGBT当事者の方から相談事業や制度についての問い合わせを受けたことがなく、役場として緊張感なく考えていた。
  • 誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指すために、境港市が制度導入するというのは、最もな理屈だと考える。
  • 町独自のパートナーシップの導入について、多様性を認め、住みやすいまちを作るために前向きな検討してみたい。

ということでした。「夫婦」などの要件については、町長の権限で認めることも可能ではないか、と私自身は思うところあります。しかし、パートナーシップ宣誓制度があるとこうした当事者の不利益も回避できます。湯梨浜町には導入に向けた動きを進めてほしいと思います。

 次回のブログでは、もう少しLGBT当事者の置かれている状況などについて触れてみたいと思います。

 

*1:高室杏子(2022年7月5日)「「パートナーシップ制度」が各地に広がる 導入する自治体は211に」朝日新聞、URL:

https://digital.asahi.com/articles/ASQ744CVBQ6XOXIE008.html?pn=6&unlock=1#continuehere(参照日:2022年10月3日)

*2:境港市議会、平成30年 第6回定例会(第4号12月12日)、No30、発言者:田口俊

*3:境港市議会、平成30年 第6回定例会(第4号12月12日)、No162、発言者:安田共子

*4:境港市議会、令和 2年 12月定例会(第4号12月16日)、No32、発言者:安田共子

*5:境港市議会、令和 3年 3月定例会(第3号 3月16日)、No.192、発言者:安田共子