中森圭二郎のブログ

湯梨浜町町議会議員、中森圭二郎の活動報告

「校則の見直しについて」(2021年6月定例会の一般質問原稿)

 生徒指導提要の改訂の記事を書いたので、昨年議会で質問した「校則の見直し」に関する原稿を再度ブログにアップしておきます。(Wixからはてなブログに移行したので、ブログ記事が一部消えてしまっているので💦)

 

 定例会が近づいています。一般質問の原稿が一つできましたので、アップしておきます。

下記は原稿です。

 

小学校・中学校の校則や生徒指導の見直しについて、質問します。

 小学校、中学校の校則や生徒指導を、湯梨浜町の児童生徒、保護者、教職員がHPや冊子で簡単に確認できるようになってほしいと私は考えています。

 また、児童生徒・保護者・教職員が校則や生徒指導に疑問を持った時に、それらが存在する理由を説明できたり、話し合いの上、それらの規則を更新できる仕組みが必要だと感じています。

 そこで、教育長に、町内の小中学校の校則の見直しの現状と教育委員会の方針について質問したいと思います。

 まず、校則や生徒指導の見直しがなぜ必要なのかを説明します。

 2018年3月に林芳正(よしまさ)文科大臣が「校則は絶えず積極的に見直す必要がある」「児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定することが望ましい」と答弁しています。

 生徒指導摘要の第7章にも同様の趣旨のことが書かれていましたが、なぜ文科大臣が改めて答弁をせざるをえなかったのでしょうか。

 この背景には、2017年9月に中学校、高校の頭髪指導をめぐって生徒が大阪府に訴えた訴訟など、理不尽な校則によって生徒たちが追い込まれている現状があるからです。

 その訴訟では、生まれつき茶色い髪なのに、学校の指導によって、髪を黒く染めたと生徒は証言しています。生徒の髪や頭皮が痛むなどの物理的な苦痛のほか、黒く髪を染め続けなければならないという精神的苦痛もあったようです。

 校則・生徒指導の内容の見直しについては、教育に責任を負う校長の権限ですが、なかなか全国的に見ても進んでいないのが現状です。

 鳥取県内では、行き過ぎた校則や生徒指導をめぐる訴訟は近年起こっていないものの、鳥取県内の校則をめぐるこのようなデータがあります。

  令和2年度9月に鳥取県教育委員会によって改訂された「不登校の理解と児童生徒支援のためのガイドブック」があります。不登校児童の要因・背景が調べられており、「学校生活の決まり」を不登校の要因に感じる生徒が12.7%もいることが分かりました。鳥取県内の児童生徒の一定数が校則・生徒指導の在り方に疑問を感じていると言えます。

 一方で、校則・生徒指導の見直しについて明るいニュースもあります。NPO法人カタリバの「ルールメイキング」という活動です。弁護士や教育学者、ファシリテーターを外部サポーターとして加えることで、学校・生徒・保護者の三者がうまく、校則の見直しを行っているそうです。外部サポーターのおかげで、教職員の負担も減ったほか、教職員たちが教員の立場を主張できるようになったと言います。

 校則見直しの過程では、特定の校則があったとき、あるいは、なくなったときの利益、不利益をそれぞれの立場から意見できるようになります。生徒たち自身が様々な立場の人の意見を聞きながら結論を出すという過程を経験できます。これはまさに文部科学省総務省が推進している主権者教育と言えます。

 こうした校則見直しの教育的な側面もあり、教育委員会が校則見直しの通知を各学校に出す自治体もあります。

 熊本市教育委員会岐阜県教育委員会では、校則見直しのガイドラインを作成しています。主権者教育、児童生徒の人権を侵害しない規律の作成、校則の公表の3つを掲げています。

 そこで、湯梨浜町教育委員会にお尋ねします。一つ目の質問として、町内小学校3校、中学校1校の校則・生徒指導について、定期的に校則の見直しがなされているのか。また掲示やHPなどで見直状況を公表しているのか状況を伺いたいと思います。

 次に、学校に校則見直しを求める通知についてお尋ねします。共同通信社の5月16日の報道で、2017年度以降、学校に校則見直しを求める通知を出した自治体が、99教育委員会のうち、3割だと報じました。鳥取県教育委員会鳥取市教育委員会は通知を出す予定がないとしていますが、湯梨浜町教育委員会は通知を出す予定はありますか?今後の方針をお尋ねしたいと思います。

 

 おそらく、湯梨浜町教育委員会は、各学校に通知を出すことまではしないと思います。校則見直しに関しては校長に権限があるため、見直しの通知をすると、その権限に影響を与えるため、そこまではしないだろうという私の見解です。

 しかし、各学校が校則をあまり見直ししていない場合、教育委員長の答弁が校則の見直しを図るきっかけになるはずです。私としては、まず<HPなどによる校則そのものの公開>、<校則の更新の状況の公開>を今回の答弁でひきだすことを目標にしたいと思います。