中森圭二郎のブログ

湯梨浜町町議会議員、中森圭二郎の活動報告

12月定例会の一般質問(産後ケア&町のHP・SNS)

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12月議会一般質問通告書

今回は①「使いやすい産後ケアの実現を」、②「自然災害時の自治体の情報発信に湯梨浜町HPやSNSの活用を」という2点を質問しようと思います。

目次 <使いやすい産後ケアの実現を> 鳥取県では、産後ケア事業が無償化!湯梨浜町は? 湯梨浜町で産後ケアの利用を増やすには? 福井県高浜町での旅館を使った日帰り産後ケア <自然災害時に湯梨浜町HPやSNSの活用を> 自然災害時のSNSを使った情報発信を 町HPの活用を

鳥取県では、産後ケア事業が無償化!湯梨浜町は?

鳥取県は「産後ママと赤ちゃんすくすく応援事業」という事業名で産後ケアを無償化するため、市町村の産後ケア事業の個人負担分を助成しています。これにより、鳥取県民で対象となる方は無料で産後ケアを利用できます。(この対象になる方が自治体によって差があるのが課題となっています。)

もちろん、湯梨浜町も産後ケアを無料で受けられます。湯梨浜町はチラシや町HPにて広報しています。チラシは子育て支援課窓口や新生児・乳幼児訪問などの際にもらえます。ぜひ確認してください。

ただ、町HPの産後ケア事業の利用料の項目が更新されておらず、有料と書かれていますが、無料で受けれますのでご安心ください。(湯梨浜町子育て支援課に確認済みです。)

湯梨浜町で産後ケアの利用を増やすには? そもそも湯梨浜町での産後ケアの利用件数はどれくらいなのか。議会の調査依頼という制度を使って、H30年からR2年までの産後ケアの利用実績を調査しました。利用件数は多くありませんでしたが、無償化によって少しずつ利用数が増えてきている様子が分かります。

湯梨浜町の産後ケアの利用実績(予算消化率)

•H30年 訪問型4件 (予算消化率12.6%) •R1年 訪問型2件 (予算消化率3.0%) •R2年 訪問型4件、宿泊型1件、デイサービス型3件(54.9%)

参照:調査依頼票回答「妊娠・出産・子育て支援に関わる事業の利用状況・予算消化状況について」R3/10/18 湯梨浜町議会

さて、先ほど「対象になる方が自治体によって差があるのが課題」と書きました。令和3年3月に行われた湯梨浜町議会第3回定例会で町長は産後ケアの対象者についてこのように答弁しています。

令和2年4月から無償化を導入し、本人負担無料として以来利用者は増加傾向ではございますが、実際の利用者数として絶対値は多くないというのが現状でございます。その理由といたしましては、産後ケアの事業の利用対象者がおおむね産後4か月頃までの産婦で強い育児不安があり、また家族等から産後に援助が十分得られない母子を対象に、心身の安定、それから育児不安の解消及び児童虐待の未然防止を図ることを目的としているため、条件に該当する方がハードルが高いといいますか、そういうことのために限定的といいますか、条件に該当する方の利用が限られちゃってるんじゃないかなということも思っております。 参照:湯梨浜町議会議事録 令和 3年第 3回定例会(第4日 3月8日)

「産後4か月までの妊産婦」(母子保健法の改正で産後1年の妊産婦に変更されました)、で「家族などから産後に援助が十分得られない母子」を対象としており、該当する方が少ないという趣旨の発言だと思います。

確かにそういう条件なら、ハードルが高いかもしれないと最初は思いました。しかし、調べていくと、二つ目の条件である「家族等から産後に援助が十分得られない母子」については、自治体によっては運用面でそのハードルを低くしているということもわかりました。

鹿児島県にあるさつま町では、産後ケア応援券交付事業というものを行っており、さつま町内に住所を有する出産した産婦全員に、ひとりあたり3万円分の産後ケア応援券を交付しています。申請したのちに、応援券が交付され、町が委託する「産後ケアサービス委託事業所」で利用することができます。HPの記載では、「家族等から産後に援助が十分得られない母子」という対象者の項目はありませんでした。

また、福井県高浜町でも、母子手帳発行時に産後デイサービス利用券を全員に発行している。産後ケアを「一部の人だけが利用する特別な支援ではない」サービスと位置付けている。つまり、自治体の運用によっては、すべての母子が「強い育児不安」を抱えていると推定することで、母子全員に産後ケアサービスを受けられることを可能にしていると言えます。

高浜町の産後ケアの利用者分析で興味深いところがありました。2018年9月から2020年7月までの期間に産後ケアサービス(デイサービスのみ)を利用した82人のうち、28人は町がリスクを把握し利用を進めた方でした。残り54人は自ら利用を希望した方でしたが、そのうち16人は不安や心身の疲労が見られ、1名は介入して支援が必要とされる方でした。深刻化する前に支援につながったという意味では、全員を対象とすることで産後ケアに予防的な側面も生まれたと言えます。

福井県高浜町での旅館を使った日帰り産後ケア

また、高浜町の産後ケア(産後デイサービス)の特徴は、旅館を利用している点です。同町が行ったアンケートからの分析から「母親の心身の回復を促す要素(身体を癒せる、気分転換ができる、安心できる、交流が生まれる)を提供できること」に重点を置いた産後ケアを実施するため、同町の資源であった旅館・民宿を産後ケアで活用し始めたようです。

実施方法は下記のように行っているようです。

 民宿の部屋を借り、町の助産師2名、保育士1名、保健師1名が出向き実施する。対象は産後5か月までの母子で、1日の定員は4組。開催は週1回、午前10時から午後3時としている。協力してくれる民宿を輪番で使用し、客室、入浴施設、昼食の提供を行う。  民宿へは、産婦1人当たり昼食料1500円と施設使用料分を補助(産婦1人につき4回分まで)しているので、利用者の自己負担は昼食料の1500円のみとなっている。 引用:保健師ジャーナル vol.77 No.02 2021 P117-118 湯梨浜町にもたくさんの旅館や民宿があります。ある旅館さんにも相談したところ、協力できる部分はあるという話でした。鳥取県中部で活躍されている助産師さんもこうした旅館での産後ケアについて関心をもっていました。湯梨浜でも実現できないか、一般質問の場で聞いていきたいと思います。

自然災害時のSNSを使った情報発信を

次に、自然災害時のSNSによる情報発信についてですが、7月7日の豪雨災害時にSNSを運用している各自治体では、避難場所や水道の使用のお願いなどをしていました。現在、湯梨浜町では、SNSを導入していないのですが、検討を促すような質問をする予定です。

また、同じ7月7日の豪雨災害時に湯梨浜町では、道路交通規制状況を総務課のページ上で表記していました。データによると、そのページには1週間で1万2000件のアクセスがあったようです。(参考として、10月20日~27日の湯梨浜町HP全体のアクセスは1万6000件)

豪雨が日中に起こったため、出勤している方などが、防災無線やケーブルテレビなどで情報を取得できない状況だったこともあり、町HPに情報を求めたのではないかと推測されます。そこで、町HPに避難場所の開設状況や支援物資の支給などの災害時に必要な情報を集約して公表することを検討してはどうか、という提案したいと思います。